本年度は、画層認識において非常に重要な役割を果たす仮説検証機能を有するシステム構築に関する研究を行った。その結果、学習により仮説検証を行い画像の認識を行う新しい手法を開発することができた。 提案システムは学習により自動的に画像認識を行なうことができ、1)領域分割過程2)画像認識過程の2過程から成っている。領域分割過程においては、k平均アルゴリズムを基にした手法により画像を適度な領域に分割する。この分割された領域を以後認識の単位として扱う。画像認識過程は学習機能を持つニューラルネットワークと、ルールの可扱性に優れたファジィの融合によるファジィ推論ニューラルネットワーク(FINN)を基にしたネットワークを利用している。 対象認識過程は、1)仮説段階2)検証段階の2段階から成る。仮説段階では、仮説を立て対象物の認識を行い、同時に対象物の「暖かさ」も推論する。検証段階では仮説段階の仮説が正しいかどうかを「暖かさ」をフィードバックすることで検証する。この仮説段階と検証段階を「暖かさ」が安定するまで繰り返すことによって最終的な認識結果を得る。 提案システムは学習後のネットワークから暖かさに関連づけられた認識に関するルールを抽出することが可能である。風景画像を例題として扱い、自動学習により獲得されたルールを用いて仮説検証を行ない、良好な認識結果が得られる事を確認した。
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