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2000 年度 実績報告書

Volterra型非線形適応システムの理論解析と高速適応アルゴリズムに関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 12650395
研究機関中央大学

研究代表者

趙 晋輝  中央大学, 理工学部, 教授 (60227345)

研究分担者 辻井 重男  中央大学, 理工学部, 教授 (50020350)
キーワード適応フィルタ / Volterraフィルタ / 非線形フィルタ / 誤差曲面 / 収束解析 / 曲率解析 / 高速算法
研究概要

本年度はまず、二次Volterra系の理論解析を行った。
(i)白色入力の場合,線形系の誤差曲面と異なり、Volterraの誤差曲面も著しくゆがんでいることを解明している。具体的に、自己相関行列の構造解析により,誤差曲面のすべての主曲率と主軸を固有値と固有ベクトルから求めて,1方向上の主曲率だけが他の方向のN倍のオーダ(NはVolterraシステムの線形項の数とする)である,つまり,ある方向上においてのみ著しく急峻で,他の方向では比較的に平坦である,という特徴を示している.
(ii)さらに,この結論を有色信号入力の場合へと拡張している.一般的に,有色信号の特有の性質を使わずに,その高次自己相関行列の固有値と固有ベクトルを求めるのはできないため,固有値の厳密な値の代り,そのできるだけタイトな上下界を求めて,同様に最大固有値,即ち誤差曲面の最大曲率が,他のもののN倍のオーダである,つまり,ある1方向に著しく急峻で,他の方向では相対的に平坦である特性を示している.
そして、上記解析結果に基づき、高速適応アルゴリズムを開発している。
(i)白色入力の場合:誤差曲面の主曲率の逆数をその主軸方向のステップサイズとして採用して,最急降下法と同程度の計算量で,ニュートンラフソン法と同程度の収束速度を有する適応アルゴリズムを提案している.
(ii)有力入力の場合:最大固有値の上下界から,その推定値を求めて,さらにグラムシュミット直交化によって,誤差曲面の最急峻方向の固有ベクトルを推定する.それによって,主曲率に反比例するステップサイズを用いることで,最急峻方向上のオーバーシュートを抑えながら,高速且安定に収束する適応アルゴリズムを開発している.
さらに、2次系においては,白色化操作を行うことで,有色信号に対するRLS型の演算を高速化する適応アルゴリズムの開発に取り込んでいる。従来、RLS法は0(N^5)の計算を必要とするが,新規アルゴリズムは,LMS法と同程度の0(N^2)の計算量で,RLS法の同様な収束速度を有する.

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 趙晋輝,宇野晋平,久保田智規,猪股篤: "Volterra形非線形FIR適応フィルタの高速収束算法に関する考察"電子情報通信学会論文誌(A). J83-A・4. 370-378 (2000)

  • [文献書誌] Jinhui Chao,Kubota Tomonori,Uno Sinpei: "Fast RLS algorithm for quadratic Volterra adaptive filters"Proc.of Eusipco2000. 142-146 (2000)

  • [文献書誌] 趙晋輝,猪股篤: "Volterra形非線型適応フィルタの誤差曲面と収束特性の解析"電子情報通信学会論文誌(A). J82-A・6. 809-816 (1999)

  • [文献書誌] 久保田智規,宇野晋平,阿部和正,趙晋輝: "Volterra型非線形適応フィルタの高速で数値安定なRLS算法とその非正規分布入力信号に対する有効性に関する考察"電子情報通信学会デジタル信号処理シンポジウム論文集. A2-1. 137-142 (2000)

  • [文献書誌] 阿部和正,久保田智規,趙晋輝: "ガウス分布に従わない入力信号に対するVolterra型非線形適応フィルタの高速RLS算法の有効性に関する考察"電子情報通信学会ソサアティ大会講演論文集. A-4-6. 97 (2000)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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