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2001 年度 実績報告書

高速精度保証付き数値計算に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 12650399
研究機関早稲田大学

研究代表者

大石 進一  早稲田大学, 理工学部, 教授 (20139512)

キーワード精度保証付き数値計算 / 高速精度保証 / 数値計算ツール / LAPACK / 連立一次方程式の数値解 / 固有値問題の数値解 / インタプリタ / 事後誤差評価
研究概要

本年度に得られた研究実績は次のようである.
1.連立一次方程式の数値解の高速精度保証法,固有値問題の数値解の高速精度保証法を開発した.連立一次方程式の数値解の高速精度保証法は,LU分解の事前誤差評価を有効かつ巧みに用いるもので,その計算量はLU分解の計算量と同一となる.すなわち,精度保証の研究分野で30年来の未解決問題であった,数値解を求めるのと同じ手間で精度保証ができるようにするという問題に対し,連立一次方程式という基本的な問題において,決定的な解法を与えた.また,固有値問題の数値解の精度保証も数値解を求めるよりも高速に精度保証ができることを明らかにした.これも画期的な成果である.
2.以上の理論的な成果を実用的な数値計算ツールとして結晶させることを目的に高速精度保証付き数値計算を行うためのインタプリタを開発した.本インタプリタは密連立一次方程式,対称,非対称固有値問題などを始めとする数値線形代数の様々な問題の解を,最適化BLASを組み込んだLAPACK(現在最も高速かつ信頼性の高い数値計算用ライブラリ)で解くためのユーザフレンドリなインターフェースを提供して,高速に数値計算できる.そして,得られた数値解の精度が何桁あるかを高速に精度保証する機能をもつプログラミング言語である.これにより,精度保証付き数値計算の理論を知らなくても,連立一次方程式や固有値問題を高速に精度保証付きで求めることができるようになった.この成果は精度保証付き数値計算の爆発的普及のために非常に有効であろう.

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] S.Oishi et al.: "Fast Verification of Solutions for Sparse Monotone Matrix Equations"Computing[Suppl.]. 15. 175-187 (2001)

  • [文献書誌] 大石進一他: "変数分離形非線形方程式の解の非存在の厳密な数値的検証法"電子情報通信学会論文誌. J84-A. 1377-1384 (2001)

  • [文献書誌] S.Oishi et al.: "Fast Enclosure of Matrix Eigen Values and Singular Values via Rounding Mode Controlled Computation"Linear Algebra and its Applications. 324. 133-146 (2001)

  • [文献書誌] S.Oishi et al.: "Fast verifications of solutions of matrix equations"Numerische Mathematik. 90. 755-773 (2002)

  • [文献書誌] 大石進一: "MATLABによる数値計算"培風館. 178 (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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