研究課題/領域番号 |
12650430
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
円福 敬二 九州大学, 大学院・システム情報科学研究院, 助教授 (20150493)
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研究分担者 |
吉田 啓二 九州大学, 大学院・システム情報科学研究院, 教授 (80108670)
木須 隆暢 九州大学, 大学院・システム情報科学研究院, 助教授 (00221911)
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キーワード | 超伝導磁気センサ / 高温超伝導 / ジョセフソン接合 / バイクリスタル接合 / 高周波磁界 / 電流プローブ / 冷凍機冷却 / 臨界電流 |
研究概要 |
本研究では高温超伝導磁気センサを用いた高周波磁界測定システムを開発し、電子回路内の電流分布の計測に応用することを目的としている。本年度はジョセフソン接合アレイを用いた高周波磁気センサを開発した。磁気センサとして用いる場合には、ジョセフソン接合の電流-電圧特性が印加磁界に対して変化することを利用して、磁界を信号電圧に変換する。この際の磁界-電圧変換効率を最適化するための設計指針を明らかにした。すなわち接合パラメータ(臨界電流密度、接合幅等)に対する変換効率の依存性を実験と理論により定量的に明らかにした。実験結果は数値シミュレーションによる設計値と良く一致しており、本設計により接合パラメータの最適化が可能である。その結果、本接合アレイの変換効率を従来の誘導コイルに比べて格段に高く出来ることを示し、数GHzの高周波帯にまで本センサが優位であることを示した。また、冷凍機によりセンサの動作温度を下げることにより性能がさらに改善されることを実験的に示した。 高周波磁界を測定するためには従来用いられてきた誘電率の高いSrTiO3基板は不適である。このため、基板として誘電率の低いLSAT基板を用いたバイクリスタル型ジョセフソン接合の作製プロセスを確立した。LSAT基板上に作製した接合の特性はSrTiO3基板の場合に比べて遜色無く、磁気センサとして使用できることを示した。また、高周波電流を非接触に測定するための電流プローブとして接合を多数個直列に結合した接合アレイを開発した。この接合アレイを用いて高周波磁界測定システムを試作し、予備的な段階ではあるが数100MHzの高周波磁界が測定できることを示した。今後、測定系を改良することにより数GHzの高周波帯に発展していく予定である。
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