研究概要 |
光学式回転型角加速度センサの製造方法を確立するためには次の試作および評価試験を行った. 1.初年度に製作した露光用装置および紫外線発光装置を用いて,2枚のガラスディスクに同時にスリットを露光し,相対的な誤差の低減した. 2.試作したガラスディスクを角加速度センサに組み込み,周期的な誤差信号を評価した. 3.スリットディスクとバネの部分を一体にした金属ディスクの試作および精度の評価を行った. 試作および評価試験の結果は次である. 1.考案したスリットディスクの製造方法は低コストにもかかわらず,電子ビームを用いる高価な高精度の製造方法に比べて同程度,または,場合によってはより低い振幅の周期的な誤差信号を発生する光学式回転型角加速度センサの製造が可能になったことがわかった. 2.金属ディスクのエッチング加工で製造されるスリットディスクは高い定格角加速度(例えば,サーボモータのレベル)に適していることを確認した. 3.スリットの寸法的な精度と定格角加速度およびセンサのバンド幅との関係を明らかにし,センサの設計指針を求めた. 結論: 1.考案したスリットディスク製造方法は従来の電子ビームを用いる製造方法に比べて低コスト,かつ,得られる精度は同レベルにあるので,有効な製造方法であると結論する. 2.ガラスディスクと金属ディスクの試作を行い,それぞれの精度に適したアプリケーションを選び,コストと性能のバランスを得たセンサの設計が可能である. 今後の課題: 光学式回転型角加速度センサの製品化および市場ニーズの調査などを行う必要がある.
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