研究概要 |
本年度は次のような研究成果を挙げることができた。 ・遠距離高精度位置計測法の確立 画像計測において最重要課題の1つである量子化誤差の影響低減手法について実験的検討を進め,複数カメラを用いた高速および高精度な手法を確立することに成功した。本高精度位置計測法は,移動体位置計測にも,高度情報交通システムをはじめとして一般の位置計測分野において応用可能な基礎的手段である。(11.研究発表(1),(3)番目) ・移動体の誘導方法の提案と実証 昨年度提案した親機から投影する光を用いた子機の誘導(光誘導)の走行精度および汎用性の検討を行い十分な効果を実証できた。その走行特性を考慮した経路設定を行い,複数移動体を用いた走行実験により提案手法の有効性を確認できた。(11.研究発表(2)番目) ・協調作業による汎用的搬送の実証 本研究の最終目的である協調作業による汎用的な物体搬送の実験を行い,その有効性を検証することに成功した。この方法は室内において従来移動が困難な机など重量物を搬送可能であり,自動掃除システムヘの適用が考えられる。(11.研究発表(2)番目) ・障害物の識別および走行経路指示手法の提案 移動体ターゲットおよび走行前方にある障害物の識別および走行経路指示手法についての提案と検証を行った。経路の指示方法,色情報を用いた物体識別の基礎実験,さらにパターン処理方法としてHough変換の高次元化法を開発した。(11.研究発表(4),(5),(6)番目) 以上の成果を国際会議・国内会議にて発表した。現在,学術論文等への投稿準備を鋭意進め,工業所有権の出願を検討している。
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