研究課題/領域番号 |
12650446
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研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
山下 裕 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 助教授 (90210426)
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研究分担者 |
黒岡 武俊 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 助手 (90273846)
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キーワード | 非線形制御 / 非線形微分・代数方程式 / オブザーバ / レギュラー化 / 大域的安定化 / 厳密線形化 / LMI |
研究概要 |
今年度は、特にhigh indexを持つDAE系の制御に着目して研究を進めた。2以上のindexを持つDAE系はレギュラーでなくなる場合があることが知られている。すなわち、インパルスモードを持つ可能性があり、プロパーな系ではなくなることがある。そのような場合に、従来用いられているフィードバックによるレギュラー化は、代数方程式が入力及び代数変数に関して線形であることを要請し、そのような系に変換するために積分器を追加する必要がある。また、レギュラー化には状態フィードバックが必要なので、分離定理が成り立たない非線形系ではオブザーバを用いた場合の安定性の保証が極めて難しくなる。そこで、われわれは必要な入力の滑らかさを確保するために、フィードバックをせずに、自動的に必要な数の積分器を入力に追加するアルゴリズムを提案した。また、high-index系に対してのオブザーバも、前年度までに求めた方法をさらに推し進め、LMIに帰着するサブシステムをさらに小さくとることができることを示した。その結果、昨年度までの設計法よりも大域的安定化のための条件が緩和された。すなわち、非線形系の場合はベクトル場が含まれるポリトープが大きくなる場合がありLMIが可解でなくなる危険性が大きいが、LMIに帰着するサブシステムの次元を小さくすることによって、そのような場合をできるだけ避けている。 さらに、レギュラー化についても検討し、ある部分的な非線形代数方程式が解きだせるのであれば、代数変数に関する線形性の仮定が不要であることを示した。
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