研究概要 |
研究計画に基づいて以下の項目について研究を行った. 階段形分数次ホールドを実現し,ディジタルコントローラに適応制御ソフトウェアを組み込み実行させることによる効果の実証 DAインタフェースボードにより階段形分数次ホールドを実現するとともに,購入したディジタルコントロール用演算装置に内蔵する適応制御プログラムを開発して,実システムで適応制御を実施し,制御目的の達成を確認した.実システムとして,電気回路システムを使用した.そのシステムは,階段形分数次ホールドを用いるときには零点が安定になるが,従来からよく使用されているゼロ次ホールドを用いるときには不安定な零点が表れる制御対象である.今年度は最も基本的な2段の階段形分数次ホールドを実現した.実験に先立って現有パーソナルコンピュータでシミュレーションによる予備検討を行った.制御プログラムの開発及び制御実験には,C言語を使用し,実験補助者による協力を得た.比較のため,ゼロ次ホールドによる実験も実施したところ,理論どおり不安定零点が存在することにより,制御目的が達成できない結果も得た.これにより階段形分数次ホールド方式の有効性を実証できた. 関連する研究成果として,1入出力連続時間システムが虚軸上に零点をもつ場合に,その離散化零点の安定性がナイキスト軌跡を用いて判定できることを明らかにした.
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