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2001 年度 実績報告書

若材齢における高強度コンクリートの収縮拘束応力の発現特性と微視的破壊機構

研究課題

研究課題/領域番号 12650459
研究機関金沢大学

研究代表者

五十嵐 心一  金沢大学, 工学部, 助教授 (50168100)

キーワード自己収縮 / シリカフューム / 引張クリープ / ハドリー粒子 / 拘束応力 / 人口軽量骨材 / 内部貯水 / 高強度コンクリート
研究概要

低水結合材比の高強度コンクリートの内部組織の形成過程を蛍光顕微鏡観察および走査型電子顕微鏡観察により明らかにし,その特徴と自己収縮拘束特性の関係を考察した.自己収縮拘束特性の試験方法としては,独自に作製したコンピューター制御式一軸引張型拘束収縮試験装置を使用し,拘束応力の発現およびクリープによる応力緩和の定量的な評価を行った.密封養生された高強度コンクリートは,若材齢においてはその内部組織は全体的に多孔質であり,さらに局所的により多孔質な領域が存在する.若材齢においては,シリカフュームコンクリートは普通コンクリートよりも単位引張クリープは大きく,これはCSHゲル量の増大とセメントゲル中のハドリー粒子の存在と関連すると推定される.
自己収縮の原因である自己乾燥の発生を緩和し,低水セメント比の高強度コンクリートの自己収縮を抑制することを目的として,人工軽量骨材の貯水機能を利用することの有効性について実験的に検討した.飽水した人工軽量骨材で粗骨材の全量または一部を置換することにより,自己収縮の発生は完全に抑制され,強度低下も小さい.また,自己収縮を抑制するのに必要な軽量骨材量は既往の提案モデルの計算値とは矛盾しなかった.しかし,軽量骨材の初期含水率が低い場合は,十分に保水させても自己収縮の抑制効果は小さく,また,骨材近傍に多数の未水和セメント粒子が残存していた.さらに,マトリックスの拡散係数が小さいため,軽量骨材の水分供給機能が広範囲に行き届かないと推定されたシリカフュームコンクリートは,予想とは異なり抑制機能が効果的であった.コンクリート打設時に形成された軽量骨材周囲におけるモルタルマトリックスの組織の相違が,初期の吸排水に関わる水分移動特性を変化させ,これがその後の自己収縮抑制効果に影響を及ぼすようである.

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Igarashi, S., Kawamura, M.: "Effects of microstructure on restrained autogenous shrinkage behavior in high strengt concretes at early ages"Proceedings of the RILEM International Conference on Early Age Cracking in Cementititous Systems, Haifa, Israel. 125-132 (2001)

  • [文献書誌] 森下隆志, 五十嵐心一, 川村満紀: "若材齢における高強度コンクリートの微視的構造が自己収縮拘束挙動におよぼす影響"コンクリート工学年次論文集. 23・2. 709-714 (2001)

  • [文献書誌] Bentur, A., Igarashi, S. Kovler, K.: "Prevention of autogenous shrinkage in high-strength concrete by internal curing using wet lightweight aggregates"Cement and Concrete Research. 31・11. 1587-1591 (2001)

  • [文献書誌] Igarashi, S., Kawamura, M.: "Effects of microstructure on restrained autogenous shrinkage behavior in high strength concretes at early ages"Materials and Structures. (登載決定). (2002)

  • [文献書誌] 五十嵐心一, 川村満紀, 森下隆志: "若材齢における高強度コンクリートの内部組織の特徴と自己収縮拘束特性"土木学会論文集. (登載決定). (2002)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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