(1)断層運動およびそれによって生成される地震波の伝播現象を解析するためには、有限要素網のメッシュサイズと表現可能な周波数の上限との関係を明らかにする必要がある。まずこの点をパラメトリックに解析し、一波長4要素あればほぼ波動を表現できることを確認した。 (2)断層の地中の位置、すなわち深さによって同じ応力降下量でも平均食い違い量が異なることを明らかにした。断層が非常に深い場合、および断層が地表面に達した場合には応力降下量と平均食い違い量との関係は弾性論による解と一致するが、断層が地表面に近くなるほど平均食い違い量は大きくなる。 (3)二次元FEMでノースリッジ地震の観測加速度の再現を試みた。最大値はほぼ同程度になることが確認できたが、継続時間はFEMによるシミュレーションの方が長くなると行った結果が得られた。 (4)三次元FEMで鳥取県西部地震で観測された加速度記録のシミュレーションを試みた。メッシュサイズの制約で1Hz以下の低周波領域での比較を行った結果は振幅、位相共に調和的であった。 (5)今後は地盤の材料費線形性の導入、台湾集集地震の解析を試みる。
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