研究概要 |
まず,3次元有限要素法を用いて,断層の破壊の方向を、鉛直方向(Stick slip)、水平方向(Strike slip)および両成分を含む斜め方向の破壊の3通り,また断層の幅と長さの比を1:1、1:2、1:3、1:4の4通り変えてパラメトリックに断層の破壊過程をシミュレーションした。そして,破壊伝播の様子,平均食い違い量の違い,地震波形の違いについて検討した。 次に2次元解析を行って,3次元解析結果との比較を行なうことによって、どこまで2次元解析で3次元効果が表現できるかを考察した。 さらに、2000年鳥取県西部地震の断層破壊シミュレーションを行ない,観測結果とシミュレーション波形の比較検討を行なった。その結果,以下のことが明らかになった。 (1)破壊伝播の仕方は(破壊伝播の広がり方)断層幅を変えてもほとんど変化しない。 (2)断層長さが長くなるほど平均食い違い量は大きくなる。しかし長さが4倍になっても平均食い違い量の大きさは約1.6倍である。 (3)2次元解析と3次元解析で平均食い違い量を比較したところ,断層の中心では断層の幅と長さの比を1:3くらいにするとほとんど同じになる。 (4)鳥取県西部地震で観測された3地点の加速度記録をシミュレーションで表現できる周波数領域のローパスフィルターをかけて比較したところ,振幅は記録地点によってだいぶ異なったが、オーダー的にはほぼ同じであった。
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