本研究は、地震時における斜橋、曲線橋の落橋崩壊を防止するため、高靭性特性有する支承を用いると共に、桁と橋台の衝突を許容し、橋台による桁変位の拘束を利用した落橋防止法を開発するものである。 既に、ゴム支承支持された桁と橋台の地震時衝突応答の特性については研究済みであり、平成12年度は、この理論的に得られた衝突応答特性を実験によって検証した。その結果、桁変位や速度の応答量は、振動台加速度の増加とともに全体的に増加はするものの入力には比例せず、最大応答量が小さい場合や大きくなる場合が混在するカオス挙動と同様の傾向を示した。桁と橋台間の遊間、入力強度、最大応答の3者は、理論的に相似性が成り立ち、実験結果からも斜橋模型、曲線橋模型共にこれを確認した。さらに、反発係数や摩擦係数など衝突状態に関わる物理量は桁の最大応答にそれ程影響せず、桁形状に起因する衝突方向の多様性に支配された応答特性となることが確認できた。これらの成果は、11.に示した論文によって公表している。 平成13年度は、桁の最大応答予測式の開発を行い、一方向両振幅における桁遊間が等しい斜桁の応答予測については、その数値シュミレーション結果と良好な一致を得た。現在、斜橋が水平2方向加震を受ける場合の最大応答予測への発展、さらに桁振動時の衝突遊間量が左右で異なる曲線橋についてその最大応答予測式の開発を行っている。平成14年度にはこれら予測式の完成をはかるとともに、衝突時緩衝材の効果を含めた橋台パラペットの破壊と移動、さらに地震時中における遊間量拡大に伴う桁応答の変化について研究を行う予定である。
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