研究概要 |
本年度は,昨年度に構築した三次元の地形・構造物モデリングシステムおよび風の並列計算システムの高精度化に関する研究を行った.その結果,以下の結論を得た. 1.地形・構造物モデリングシステム 地形・構造物モデリングシステムでは,等高線および地性線を正確に考慮した要素分割が可能となるようにデラウニー三角分割アルゴリズムの改良を行った.これにより,人工的に発生する棚田要素のほとんどを解消することに成功した(従来の手法に比べて約1/10以下).また,地形と構造物データの取得に関して,これまでは地図を直接スキャニングして,ラスター・ベクター変換により形状を取得していたが,GISデータから直接取得できるように改良した.これにより,形状データの取得が簡便にかつ高精度に行うことが可能となった. 2.風の並列計算システム 風の並列計算システムでは,これまで6面体要素に基づく有限要素法を採用していたが,4面体要素に基づく方法に変更した.これにより,構造物の幾何学的形状をより正確に表現することが可能となった.また,安定化手法の改良および流出境界条件の処理法として放射条件の導入を行った.改良した手法の有効性を検証するために風洞実験結果との比較を行い,従来の方法に比べて安定にかつ実験結果とよい一致を示すことを確認した.
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