研究概要 |
平成12年度研究計画で掲げた(1)廃棄物埋立処分場の構造評価,は遮水構造を中心に国際比較した.我が国の不透水層の定義は欧米各国の10倍で,透水性評価法の開発とともに,遮水構造不必要の不透水層に対する考え方を再点検する必要性がある.以下,平成12,13年度研究実施計画番号にそって研究成果をまとめる. 平成12年度実施計画 (2)カラム試験による廃棄物層の溶出特性 バッチ法に較べて10数倍の溶出率が得られ,雨水などの浸透水へ溶出する汚染経路を想定する場合には,カラム法による検討が必要である.しかしながら,pH,温度などの要因も関係しており,バッチ法とカラム法による溶出特性の違いを定量的に評価するまでには至っていない (3)カラム試験による非定常浸出特性,(4)溶出原単位のスケールアップ 定流量ポンプでの試験では,溶出終了までの時間が長すき非定常浸出特性の前半部分しか評価できない.外挿法を考えるか,試験法の改良が必要である. 平成13年度実施計画 (1)重金属の溶出特性と液固比など試料前処理との関連性 バッチ法で試験する場合には,液固比,乾燥法などの前処理に無関係に溶出特性を評価でき,試験終了時の吸着平衡状態では,Freundlich吸着式が試験結果をよく記述できる. (2)水分・溶質移動モデルによる処分場浸出水の流出破過曲線の解析 ヒ素に注目して,下水汚泥埋立処分場からの浸出水を解析し,処分場閉鎖後100年経過後も浸出水からのヒ素成分流出は続くことを明らかにし,水処理施設の稼動必要性を指摘した. (3)既設処分場からの埋立廃棄物のサンプリングと溶出試験 既設処分場でのサンプリングは,埋立処分場に対するマイナスイメージもあり,実施を許可されなかった.継統的に粘り弦く既設処分場のサンプリングの必要性を説明し,実施したい.
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