研究課題/領域番号 |
12650496
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
藤村 尚 鳥取大学, 工学部, 助教授 (30032030)
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研究分担者 |
西村 強 鳥取大学, 工学部, 助手 (90189308)
木山 英郎 鳥取大学, 工学部, 教授 (30026067)
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キーワード | カオス / フラクタル / 亀裂性岩盤 / 個別要素法 |
研究概要 |
ファジィ理論・ニュートラルネットワークと並んでソフトコンピューティングの新しいパラダイムとして最近注目を浴びているのが、「カオス理論」である。カオスとは、「乱流や生態システムにおけるリズムなど自然界のいたるところに存在する非線形ダイナミカルシステムに内存する一見無秩序かつ予測不可能な現象のこと」をいうが、最近こうした複雑な現象の背後に隠れた法則を解明し、積極的に工学的な応用をはかる試みが胎動している。カオス理論の工学的な応用を目指す新しい学際的な問題領域は「カオス工学」と呼ばれている。 土木の分野においても、近年コンピューターの目覚しい発達に伴い、さまざまな数値解析が行われるようになってきた。亀裂性岩盤の数値解析において重要なパラメーターである岩盤不連続形状については、正確に把握されていないのが現状であり、その不連続面を計測することが必要不可欠であるが、多くの制約のために十分なデータを得るのが困難な状況にある。 そこで本研究では、カオス理論を用いて岩盤不連続面形状のカオス性を判定することを試みた。解析手法としては、まずカオス性を判定するものとして、自己相関関数・フラクタル次元解析・リアプノフスペクトル解析及び時系列変動の滑らかさに基づく決定論性評価を行った。つぎに、サロゲート法によるカオス性の有無を評価している。なお、岩盤不連続面形状は、Bartonらの示した紙上のJRCを中心に用いて検討した。解析結果から、JRC値の大きい、粗い不連続面形状ではカオス性があることが知れたが、JRC値の小さい、滑らかな不連続形状ではカオス性は不明である。このことについては、岩盤不連続面形状の数値データの収集などによって再検討する必要がある。 一方。個別要素法(DEM)による土質・岩盤(地盤)への適用性を調べた。落石問題を中心に落石の挙動と材料定数の検討を行った。種々の室内落石実験を実施した。これらの解析結果と実験結果を比較することによってDEMの確かさを調べたところ、良好な結果を得た。また、地震時の間隙水を考慮した解析を示している。 岩盤の亀裂については、熱赤外線影像法による実斜面の診断から亀裂との関係や新しい亀裂抽出法の提案を行った。
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