研究概要 |
1)この度の降雨による崩壊特性からみて短時間の集中豪雨で土石流災害、斜面災害が同時に発生した。室内降雨浸透実験で模型斜面(横140cm、幅50cm、深さ40cm)に10cm厚、20cm厚のまさ土層、30度の勾配、土層表面から降雨を降らせ、土層底部から地下水を流下させ行う。層厚、土層密度、降雨状況(地表、地下)で明確な相違が見られた。 2)まさ土の透水試験について原位置透水試験、不攪乱土を採取し室内で試験を行い比較した。室内ではモールドと試料の間の流下水を防ぐため試料をゴムスリーブで覆い低圧の側圧をかけ実験を行った。原位置試験と室内試験とで良い相関で3.2*10-4cm/secを得た。また原位置のサクションと含水比関係である水分特性曲線を30cm、50cm深さを得た。 3)今回の災害、昭和60年災害、昭和42年災害の過去3回の災害ごとにその直後「崖のアンケート調査」を実施してきた。質問項目は15項目あり、今回の災害の有無、がけの様子、位置、形態、勾配、湧き水、排水路の有無、崩壊歴等である。有効データは833個,330個、291個であった。崩壊率は昭和42災害、平成11年災害はよく似た災害である。崖の上に排水路が有る無しにより崩壊に影響を与える。崩壊歴がある方が崩壊が起きやすい事がわかった。
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