1)初年度で用いた室内降雨浸透実験と同様の模型斜面(横140cm、幅50cm、深さ40cm)でまさ土と川砂を用いて種々の実験を行った。模型斜面の中間部に設置した低容量圧力変換機により斜面内発生間隙圧を測定した。結果、川砂は25分後に、まさ土は30分後に間隙圧が発生し、各々約5分後、約10分後に最大間隙圧に達した。繰り返し降雨実験ではまさ土は急速に最大間隙圧を示した。 2)まさ土の力学的特性では圧密排水条件で飽和三軸圧縮試験を行った。試料は不撹乱土を3〜6箇所で採取し、崩壊深さ対応させ拘束圧は0.3〜0.9kgf/cm2で行った。結果としてせん断抵抗角φdは32゜〜40゜、粘着力Cdは0〜0.02kgf/cm2であった。密度と強度の関係で間隙比eとせん断抵抗角φdの関係ではeが小さいとφdが増加傾向になる事が判った。 3)まさ土斜面崩壊における降雨災害と地震災害との比較を検討した。結果として、降雨災害は急傾斜地の周辺山麓部を中心に崩壊し、地震災害は市街地の車西方向に、また石垣構造のがけで発生し市街地でも多くの崩壊が見られた。貫入抵抗値は地震災害地では貫入深さは10cm程度で7〜10kgf/cm2で湿潤条件では3〜7kg/cm2程度である事が判った。
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