研究概要 |
1)降雨浸透による斜面崩壊機構の実験的研究では,実験斜面を用い層厚,密度,地下水流の有無,降雨強度を変化させて実験を行った。結果として,粒度の良い土ほど崩壊しにくい事,また地下水のみでも崩壊の危険がある事がわかった。 2)平成11年6月豪雨災害に関する「崖のアンケート調査」の研究では,呉市内の傾斜面を有する住居地域で崖のアンケートを行い解析・検討した。結果として,防護施設を備えた斜面は崩壊しにくく,崖の上に排水設備を設ける事により斜面崩壊を軽減できる事,また崩壊歴を持つ崖,湧水のある崖は崩壊を起こす可能性が高い事が判った。 3)初年度で用いた室内降雨浸透実験と同様の模型斜面でまさ土と川砂を用いて種種の実験を行った。結果として川砂は25分後に,まさ土は30分後に間隙圧を発生し,各々約5分後,10分後に最大間隙圧に達した。繰返し降雨試験では急速に最大間隙圧を示した。 4)まさ土の力学的特性では不撹乱土3〜6本を圧密排水条件で飽和三軸圧縮試験を行った。結果として密度と強度との関係で間隙比とせん断抵抗角の関係では間隙比が小さいとせん断抵抗角が増加傾向になることが判った。 5)まさ土崩壊斜面における降雨災害と地震災害とを比較検討した。結果として,降雨災害は急傾斜地の周辺山麓部を中心に崩壊し,地震災害は市街地の東西方向に,また石垣構造の崖で発生し市街地でも多くの崩壊が見られた。
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