研究概要 |
本年度は,都市施設の配置状況と人々の交通行動に関する研究実績を踏まえ,コンパクトな都市において,求められる都市の機能とこれをモビリティ面から支援するための一方策であるタウンモビリティの現状と課題について研究を行った。 コンパクトな都市に求められる諸機能としては,集会場や公園,コミュニティセンター等,人々の交流が図られる施設が求められていることが明らかとなった。とくに高齢者においては,健康管理について気軽に相談できる施設が望まれていることがわかった。またコンパクトなまちづくりを支援する一方策であるタウンモビリティについては,現在各地で実施されているタウンモビリティの状況を分析した結果,単に電動三輪車を貸し出すだけでなく,利用者のケアや,歩行環境の整備,高齢者だけでなく障害者など,より多くの人々を対象としたしたシステムが必要であり,英国のショップモビリティと比べた場合,わが国のタウンモビリティは,物理的な環境整備のみならず,人的な環境整備,さらには対象とする利用層の設定において,検討すべき状況にあることが明らかとなった。
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