研究課題/領域番号 |
12650528
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
川上 洋司 福井大学, 工学部, 助教授 (10152927)
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研究分担者 |
野嶋 慎二 福井大学, 工学部, 講師 (70303360)
李 偉国 福井大学, 工学部, 助手 (80313732)
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キーワード | 都市開発動向 / 開発許可制度 / 建築動態 / 市街化調整区域 / 用途白地地域 / 土地利用制御 / 空間分布特性 / 地方都市 |
研究概要 |
本年度は、市街化調整区域における適切な開発制御方策を検討するための基礎的知見を得ることを目的とし、福井都市計画区域を対象に都市開発に関する過去27年間のデータベースを作成し、調整区域における都市開発動向の把握、開発発生の空間分布特性、開発発生の影響要因及び開発発生過程等についての分析を中心に行った。得られた主要な成果は以下の通りである。 1.開発許可による都市開発は、年間件数及び開発面積からみて、S.62年を境に、市街化区域内と調整区域内でそのウエイトが逆転しており、近年では住宅系用途を除くほとんどの用途で、調整区域の方が件数、面積ともに上回っている。 2.調整区域内の開発発生の空間分布をみると、S.61年以前では市街化区域に隣接したいくつかの特定の地区に集中していたのに対し、S.62年以後、特に近年では商業系、工業系を中心に区域内全体にわたって広く分散的となっている。 3.開発発生に影響を与えている要因をマクロ的に見ると、道路を中心とする交通条件が大きく寄与しており、モータリゼーション及び道路整備の進展による調整区域内の都市開発圧力の高まりを裏付けている。 4.開発率の高い地区における立地展開をみることによって、特徴的パターンとして幹線沿道型、用途地域にじみだし型、既存集落関連型、大型施設先行型の4つを抽出すると共に、開発行為の発生・集積に伴って生ずる都市構造への影響や用途混在化の可能性、道路機能への影響等の問題点を指摘した。 併せて、福井市及び県下3都市(鯖江市・小浜市・丸岡町)について、建築確認申請等に基づくデータベースを作成し、調整区域、用途白地地域における建築動態を用途、規模、形態の面から比較分析することによって、その特性把握、現行規制制度の問題点に関する考察を行った。 次年度は今年度の成果を踏まえ、ミクロな都市開発、建築動態の分析・把握、地域性を考慮した適切な土地利用制御方策について検討する。
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