研究課題/領域番号 |
12650528
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
川上 洋司 福井大学, 工学部, 教授 (10152927)
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研究分担者 |
野嶋 慎二 福井大学, 工学部, 助教授 (70303360)
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キーワード | 都市開発動向 / 建築動態 / 市街化調整区域 / 用途白地地域 / 事業所立地 / 地区類型 / 土地利用制御・誘導 / 地方都市 |
研究概要 |
本年度は、昨年度の成果を踏まえつつ、建築確認申請データに基づいて、先ず隣接する市街化調整区域(福井市)と用途白地地域(丸岡町)における都市開発動態(件数、用途・規模・形態)の比較分析を行った。その結果、両地域とも専用住宅主体の都市開発が行われているが、件数密度でみると白地地域では調整区域をかなり上回っていること。しかも、白地地域の場合、調整区域とは異なり小規模系敷地(200m^2以下)の専用住宅が過半を占めており、その空間的な展開も道路条件や既存集落との位置的関連性は見られるものの全体的に秩序性が乏しく、劣悪な市街地が形成されつつあること等を明らかにした。 さらに、ミクロ的な開発動向とその要因を把握することを目的として、福井市都市計画区域を対象に、事業所に着目し、業種・職住形態別にその立地展開状況を把握分析した。その結果、市街化区域内(特に都心部及びその近傍部)から、外延部(特に市街化区域と調整区域の境界線付近)で幹線道路沿いへの移転が顕著に見られること、併せて職住形態では職住一体型から単独型への変化が見られること等を明らかにするとともに、それらを踏まえ事業所移転を制御する条件についての検討を行った。 最後に、以上の実証的分析結果にもとづき、用途白地地域において、都市開発ポテンシャル等の地域性を考慮したメリハリのある土地利用の規制・誘導を図るための判断基準となる地区類型手法を示し、その適用(丸岡町)を通して有用性について検討した。地区類型の考え方、方法は、都市開発現象面からの類型と都市開発影響要因面からの類型を組み合わせて、「開発度」と「開発ポテンシャル」の両面から小地区(250mメッシュ)を類型化するものである。それによって、規制を前提とした保全を図るべき地区、既存集落整備との連携等を踏まえ適正な誘導を前提とすべき地区等をある程度合理的に判断することが可能となり、規制・誘導の即地的判断基準となりうることを示した。
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