本年度は、浸出水の調査、逆浸透による浸出水処理の性能調査、および生物処理/凝集方式の浸出水処理の性能調査をおこなった。浸出水調査は、東京湾中央防波堤処分場、栃木県クリンパークきぬ、フィリピン・サンマテオ処分場、東和(安定型)、桃神興産(安定型)にておこなった。また、ICP/MS法、およびICP/発光法による金属の定量に関しての手法の整理と得られた測定値に関する主成分分析などの手法の適用を試みた。浸出水の調査では、陰イオン、金属類(アルカリ金属、重金属など)、GC/MSで測定される中揮発性かつ疎水性の有機物、全有機物量、色度、E260などを分析した。得られた結果を整理すると、bis phenol Aは、やや古い処分場(安定型、管理型)やフィリピンの処分場では比較的高い濃度で検出されたが、新しい処分場(焼却残さ主体)ではほとんど検出されなかった。かわって、新しい処分場では、焼却灰などに由来する鉛、アンチモン、モリブデンなどが比較的高い濃度で検出された。逆浸透法では、分子量200以上の化合物は98%以上除去されていた。また、塩ごとの阻止率を既存のExtended Nernst Planck式による予測と比較した。プラスチック添加剤という点では、n-butyl benzenesulfonamideなどがやや古い処分場(安定型、管理型)から検出されたが、由来などは不明である。プラスチック添加剤、重金属の処分場中での挙動などを今後検討して行く予定である。
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