研究概要 |
生物膜の基質除去に及ぼす膜表面形態および流体力学的挙動の影響について,基礎的知見を得るための実験計測手法及び数値計算手法を確立すべく,平成12年度〜14年度まで研究を行ってきた.全ての目的は,達成できなかったが,以下に示す成果と可能性は見出せたと考えている. 1.生物膜表面の凹凸計測に写真測量と相互相関法を用い3次元計測を行い,レーザー変位計で検証することを試みた.定量的な検証までは行えなかったが,目視によって定性的にその妥当性を検証した.写真測量の相互相関法では凹凸が大きい場合,エラー値が多くなり,今後このエラー値の検索と補正を自動的に行うシステムを構築する必要性がある. 2.レーザー変位計で得た3Dデータを処理し、表面積,RMS,2次元パワースペクトル等の定量化指標を計算し,基質除去フラックスとの関連性を解明した. 3.流体計測においては,生物膜表面上の流体挙動を捕らえる手法を確立した.用いた機器は,実体顕微鏡,高感度CCDカメラ,紫色レーザー,カットオフフィルター,蛍光パーティクルである. 4.直交選点有限要素法の基礎的定式化を確立し,移流拡散反応方程式の数値計算を行い妥当な結果を得た.ここでは,空間と時間の離散化の両者に直交選点有限要素法を用いている.
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