研究課題/領域番号 |
12650559
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
杉村 義広 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90206425)
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研究分担者 |
石井 清 清水建設(株), 技術研究所, 主席研究員(研究職)
三辻 和弥 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (90292250)
KARKEE Madan 秋田県立大学, システム科学技術学部, 教授 (90315630)
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キーワード | 杭 / 損傷度 / モニタリング / 杭頭回転性能 / 非線形応答解析 |
研究概要 |
本年度行った研究の概要は以下のとおりである。 1)既製コンクリート杭の損傷度モニタリングに関する実験 従来から行ってきたセンサー内蔵の有無による既製コンクリート杭の曲げおよびせん断試験結果を分析し、新たにセンサーの改良を行い、杭体への内蔵方法を検討して試験体を曲げ試験用2体、せん断試験用3体を作製し、実験を行った。測定は、センサーの電気抵抗の変化を主体とし、それとの関係をみるために杭体表面の歪み、PC鋼材などに取り付けた鉄筋計による歪み、たわみなどの変位を補助的なデータとした。その結果、杭のひび割れ幅との関係よりも、PC鋼材やせん断補強筋の応力度との関係で整理することの方が合理的であるとの見通しが得られたと同時に、杭材の破壊(曲げでは圧縮側の圧壊が生じるときの曲げひび割れ、せん断ではせん断補強筋の切断が生じるときのひび割れ)に対して十分にモニタリングできることを確認した。 2)損傷度を導入した杭の非線形解析 上記実験結果のシミュレーションの一手段として、さらには地震時における杭の損傷程度による挙動を把握することを目的として、杭の靭性(回転性能)を導入した非線形解析プログラムを作成した。これは、材料非線形性として建築の上部構造で開発されている両端に弾塑性回転ばねを持つ梁要素、幾何学的非線形性としてP-δ効果、杭としての地盤反力の3つの考え方を合成したものからなっている。杭頭にこのモデルを配置した杭支持建物の地震応答に関する予備解析を行った結果、杭頭が線形である場合に対して、周期が伸び、加速度応答値が減少する非線形効果が確認された。
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