研究概要 |
全国各地での地盤のS波速度に関する資料として,主としてPS検層結果を収集し,補助的にボーリング調査資料も収集した.収集されたPS検層結果およびボーリング調査資料を統一の書式によりMicrosoft Excel上でデジタル化し,地盤のS波速度構造に関するデータベースを構築している.既に,28都道府県,378本のデータの入力が完了している.これらの資料の中には,調査地点の地理的情報(緯度,経度)が数値として与えられておらず,調査地点の周辺地図のみが得られているものがある.この場合には,数値地図を用いて周辺地図から緯度・経度を読み取る作業を行っている.また,この地盤のS波速度構造データを可視化するソフトウェアをMicrosoft Visual Basicにより作成した.これは,同データベースにおける数値・書式の誤入力等の確認作業を補助すること,ならびに各地点での地盤情報を容易に把握することを目的としたものである. 今後は,(1)残りのPS検層結果およびボーリング調査資料の数値化を行い,地盤のS波速度構造に関するデータベースを構築する.さらに,国土数値情報から得られる全国レベルでの標高,傾斜,地質,地形など各種要因に関するデータを同データベースに組み込み,これらを地理情報システム上に構築する.(2)地盤の平均S波速度と国土数値情報から得られる各種要因との関係を整理し,地域による同一地盤条件での地盤の増幅特性の相違を定量的に評価し,この結果に基づいて地盤条件ごとに地盤の増幅特性評価式を提案する.
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