| 研究概要 |
コンクリート内部には、使用材料、施工不良、ブリーディングなど諸々の原因によって巨視的欠陥が生じる。一般にコンクリートの破壊は、内部欠陥が引き金になって生じるものと言えるが、これまでは、コンクリートの破壊解析自体が容易ではないことから、内部欠陥と破壊性状(ポストピーク挙動も含む性状)との関係を解析的に明らかにした研究はほとんど見当たらない。
本研究は、コンクリート内部の巨視的な欠陥の影響を3次元FEM解析手法を用いてシミュレートする初めての試みであり、この点に最大の特色がある。また、本研究は、これまでタブー視されてきたコンクリート工事の施工欠陥およびブリーディングによる不可避の欠陥を力学的に陽な形で取り扱うものであり、このような巨視的内部欠陥がRC部材の終局性能に及ぼす影響を明らかにするための第一歩として意義深いと考える。
研究初年度である平成12年度には、筆者らが既に開発したひずみ軟化型のコンクリート構成モデルを用いて、巨視的な内部欠陥を有するコンファインドコンクリート(帯筋または鋼管で横補強されたコンクリート)の圧縮破壊挙動をFEM解析によってシミュレートするため,まずプレーンコンクリートについてパラメトリックに解析した。主な研究項目を以下に示す.
1.コンクリートの構成則の拡張とFEMパラメトリック解析(水野・畑中)
2.帯筋拘束コンクリート柱の圧縮破壊実験(小池・畑中)
3.コンクリート充てん鋼管柱(CFT)の圧縮破壊実験(川口・畑中)
以上の研究項目については,いずれも研究を継続中であり,論文として取りまとめたものは,ごく一部の成果である.
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