研究課題/領域番号 |
12650570
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
建築構造・材料
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
釜江 克宏 京都大学, 原子炉実験所, 助教授 (50161196)
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研究分担者 |
入倉 孝次郎 京都大学, 原子炉実験所, 教授 (10027253)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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キーワード | 内陸地殻内浅発地震 / 強震動の再現 / 不均質震源モデル / ハイブリッド法 / 震度7の強震動 / 1945年三河地震 / 強震動予測のレシピ |
研究概要 |
1995年兵庫県南部地震以後、内陸活断層を発生源とする大地震時の強震動をいかに予測するかが非常に重要な課題であることが認知され、活断層の地質学的な情報と、過去の地震に対する地震学的な検討などから、震源のモデル化の方法や震源近傍域も含めた強震動の評価手法が提案されてきた。震源のモデル化においては、巨視的な断層パラメータの評価のみならず、断層面でのすべりの不均質性を表現する微視的パラメータの評価が重要であり、過去の地震の解析(インバージョン解析)結果を統計処理することによって、地震規模に依存したスケーリング則が成立することが示されている。本研究ではこうした経験的特性によって得られた不均質震源モデルが、工学的に重要な短周期地震動の生成モデルとしても有効であることをいくつかの地震のシミュレーションによって検証した。さらに、強震動評価手法として広帯域ハイブリッド法を提案し、その有効性についても最近の大地震への適用から検証した。 将来の内陸地殻内浅発地震時の強震動予測は、研究分担者とともに、強震動予測のレシピとして、不均質な震源のモデル化から、強震動評価までの一連の枠組みを提案してきたが、本研究では、その枠組みを過去の内陸被害地震時の強震動評価に適用し、被害分布などとの比較検討からその有効性を検証した。ここで対象としたのは1945年三河地震である。強震動の評価はインバージョン解析で得られたすべり量の相対的に大きいところにアスペリティを2個配置し、それらの震源パラメータを経験式から評価し、三河地方の地盤構造を3次元的にモデル化し、長周期地震動を理論的に、短周期地震動を統計的に計算し、両者を統合することによって広帯域地震動を評価した。得られた結果を被害分布から推定された震度分布と比較し、ほぼ定量的にも妥当なものであることを確認した。震源近傍で出現した震度7領域での強震動として、最大速度130cm/sec以上という兵庫県南部地震時の震度7領域での値にほぼ匹敵する結果が得られた。 最後に、兵庫県南部地震での観測結果や評価結果、1948年福井地震時の強震動の再現結果や本研究成果によって、震度7領域での構造物に甚大な被害をもたらす強震動の特徴(最大震幅など)がほぼ明らかとなった。
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