研究課題/領域番号 |
12650571
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
西山 峰広 京都大学, 工学研究科, 助教授 (50183900)
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研究分担者 |
吹田 啓一郎 京都大学, 防災研究所, 助教授 (70206374)
河野 進 京都大学, 工学研究科, 助手 (30283493)
渡邉 史夫 京都大学, 工学研究科, 教授 (50026267)
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キーワード | 大韓民国 / 地震 / 耐震設計 / 地震活動度 / 地震被害 / 設計用地震荷重 |
研究概要 |
従来の大韓民国における耐震設計法では、要求性能目標は1段階のみであった。1997年に建設交通省と韓国地震工学会は、性能評価型耐震設計を行うための新しい指針を策定した。この指針では、機能保持と破壊防止という2つの性能基準を設定し、対応する地震動を提案している。 本研究では、ある鉄骨骨組を、1段階の設定目標しかない従来の耐震設計法を用いて試設計し、崩壊防止性能目標に対応する大地震を受けたときの非線形挙動をCapacity Spectrum Methodを用いて解析した。最大層間変形を新指針に規定されている性能規範と比較することにより、従来の設計法を用いて設計された本試設計建物が、新しく提案された性能に基づく設計指針により推奨されている性能規範を満足するかどうか確認した。また、同時に時刻歴解析も行い、Capacity Spectrum Methodにより得られた結果と比較した。その結果、本試設計建物が、従来の、設計性能目標が1段階の設計法で設計されたにもかかわらず、崩壊防止性能目標に対応する地震レベルである、再現期間2400年の地震動に対しても、安全性が確保されていることが示された。さらに、Capacity Spectrum Methodにより得られた結果は、時刻歴解析により得られた結果とよく一致することが示された。 また、1988年に制定された韓国の耐震設計法をISO3010に規定されている設計法と比較した。考慮したのは、地震強度、重要度係数、地震危険地域係数、強度低減係数およびスペクトルである。さらには、設計用地震力の建物高さ方向の分布と、せん断設計に関しても比較した。その結果、ふたつの基準の最も大きな違いは、考慮している限界状態であることがわかった。ISO3010では、使用限界と終局限界という2つの限界状態を明確に規定しているのに対して、韓国の基準は、終局限界状態しか考慮していない。
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