(1)平成12年度 最初に、鉄筋コンクリート一体式一方向スラブ(SRS1)、プレストレスト鉄筋コンクリート一体式一方向スラブ(SPS1)、鉄筋コンクリート一体式梁(BRS1)およびプレストレスト鉄筋コンクリート一体式梁(BPS1)の合計4体について瞬時載荷を行い、破壊時に至るまでのたわみとひび割れ幅との相関について研究した。載荷方法は3等分2点集中荷重とし、支持条件は両端単純支持とした。実験結果として、最大耐力に至るまでのたわみとひび割れ幅の増加はスラブ、梁共にプレストレスの有無に関係なく、ほぼ直線関係を示した。また、鉄筋歪とひび割れ幅の増加についても同様の関係が示された。次に、同様な試験体4体に、ひび割れ荷重の1.5倍の荷重を加えて、3等分2点集中荷重のスプリング方式による持続載荷を行なった。支持条件は両端単純支持である。現在、経過日数は、平成14年12月末時点で約400日である。この測定期間におけるたわみとひび割れ幅の増加は、瞬時載荷の場合と類似して、ほぼ直線関係が認められるようである。しかし、鉄筋歪とひび割れ幅の増加については経過日数を考慮に入れた検討が必要のようである。 (2)平成13年度 はじめに、平成12年度と同様な4体の試験体について瞬時載荷を行い、破壊時に至るまでのたわみとひび割れ幅との相関について研究した。載荷方法は3等分2点集中荷重、支持条件は両端固定支持である。実験結果として、最大耐力に至るまでのたわみとひび割れ幅の増加は両端単純支持の場合と同様な傾向を示した。次に、同様に、4体の試験体を用いて、平成13年11月20日に両端固定の場合の持続載荷実験を実施した。しかし、同年12月初旬に、端部の固定度がゆるみ、固定度が低下し、たわみが急激に増加したため、所要の条件下におけるデータが取れなくなった。そのため、現在、十分な固定度が得られる支持骨組を検討し、平成14年6月に実験を再度実施する予定である。
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