平成14年度は、はじめに、両端固定の場合の瞬時載荷実験を実施した。試験体は鉄筋コンクリート一体式一方向スラブ、プレストレスト鉄筋コンクリート一体式一方向スラブ、鉄筋コンクリート一体式梁およびプレストレスト鉄筋コンクリート一体式梁とも各1体ずつとした。載荷方法は3等分2点集中荷重である。中央部下面付近と端部とでは後者のひびわれ幅の方が大きいが、たわみとひびわれ幅との関係は両者の場合ともに直線的な相関が見られた。 次に、鉄筋コンクリート一体式一方向スラブ、プレストレスト鉄筋コンクリート一体式一方向スラブ、鉄筋コンクリート一体式梁およびプレストレスト鉄筋コンクリート一体式梁とも各2体ずつ合計8体を作成し、平成15年1月に長期持続載荷実験を開始した。当初、持続載荷レベルとして、ひび割れ発生荷重の1.5倍と3.0倍の2種類を予定していたが、プレストレスを導入しているスラブと梁はひびわれが場所打ちコンフリート試験体と比較してひびわれが発生しにくく、結局、載荷終了時の中央部鉄筋歪が700μと1000μとなる2つの載荷荷重を持続載荷荷重とした。ひびわれ幅は精度0.02mmのルーペで計測している。載荷後の1週間ほどの間にたわみは載荷終了直後の値の約2〜3割増し、ひびわれ幅は中央部および端部とも約1割程度の増加を示した。現在持続載荷実験中である。
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