研究課題/領域番号 |
12650603
|
研究機関 | 芝浦工業大学 |
研究代表者 |
三浦 昌生 芝浦工業大学, システム工学部, 教授 (50173985)
|
研究分担者 |
曽根 幸一 芝浦工業大学, システム工学部, 教授 (40245692)
西村 直也 芝浦工業大学, 工学部, 講師 (30317367)
村上 公哉 芝浦工業大学, 工学部, 助教授 (50257200)
|
キーワード | 地域冷暖房 / 地域熱供給 / 超高層集合住宅 / 居住者 / 満足度 / アンケート / 住棟セントラル |
研究概要 |
大都市圏では超高層集合住宅の建設が相次いでいる。今日の地球環境時代や高齢化社会にあって住宅への地域熱供給の導入が注目されている。本研究では、地域熱供給による給湯・冷暖房のある集合住宅の居住者を対象に、満足度に関するアンケート調査を行い、居住者の意識と満足度の全体像を明らかにし、集合住宅整備のあり方を検討する。地域熱供給を導入した集合住宅の各住戸内は中央方式で給湯・暖房がなされる。一方、各世帯ごとに熱源機が設置される「住戸セントラル方式」が現在広く普及しているが、地域熱供給を導入した集合住宅の住戸内設備は、中央方式という点で住戸セントラル方式の地域熱供給を導入した集合住宅のそれと大きくは変わらない。また、住棟ごとにまとめて熱源機を設置する「住棟セントラル方式」では、熱源機で発生させる熱を地域熱供給プラントからの熱に置き換えれば地域熱供給に転じることができる。つまり、住棟セントラル方式は、住戸セントラル方式を地域熱供給へと展開するための過渡期的システムである。都内D団地において住戸セントラル方式と住棟セントラル方式の世帯を対象として満足度のアンケート調査を行った。両者の大きな違いは各住戸の玄関やベランダに熱源機があるか否かである。「熱源機を今まで気にしたことがない」という項目を選択した回答者は、住戸セントラル方式世帯で52%、住棟セントラル方式世帯で72%となり、住棟セントラル方式の利点が高く評価されている。また、住戸セントラル方式の回答者の45%が「熱原機を地域冷暖房や住棟セントラル方式に移行したほうがよい」と答えている。ただし、経済性の評価では、住戸セントラル方式の世帯は妥当とする回答が多かったが、住棟セントラル方式の世帯では8割の回答者が割高であるとしていた。これは現在ガス料金と別途に徴収されている熱料金を高いと感じているためである。実際に住棟セントラル方式の回答者のガス料金と熱料金の合計は、住戸セントラル方式の回答者のガス料金よりも高かった。
|