建築給排水衛生設備分野の過去の研究成果を分類・評価し総括すると共に、今後の研究遂行に寄与するためのデータベースを構築することを目的とした3年間の研究である。 建築給排水衛生設備分野の研究課題は多岐にわたっており、調査・実験・理論解析など様々な手法によって取り組まれている。これらを大所高所から解析・分類・評価し、学術的観点から取り纏めることは、今後研究を遂行する上で多くの貢献ができるものと予想された。 まず、初年度はデータベース作成のための必要事項の検討と、フォーマットの作成を行った上で、国内論文の入力を行った。当該研究分野は、技術的には古い歴史を持つものの、研究活動は比較的最近になって行われるようになったもので、約50年を数えるにすぎない。しかし、30年ほど前から徐々に盛んになり、主として日本建築学会と空気調和・衛生工学会において1965年から2000年の間に通算2206件の研究論文の蓄積があった。 国際的には、申請者が日本代表を務めてきたCIB-W62/国際建築研究情報会議・建築給排水衛生設備委員会の主催する国際会議で発表されているものがほとんどであり、その数は541件となった。 第2年度は、それらの論文の別刷りまたはコピーを収集し、著者、タイトル、キーワード、概要などをコンピュータ入力した。 第3年度は、以上の論文のコンピュータ入力を再チェックし、データベースを完成させた。
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