研究分担者 |
曲渕 英邦 東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (60219293)
藤井 明 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (20126155)
大野 秀敏 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (10160582)
槻橋 修 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (50322037)
郷田 桃代 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (50242128)
|
研究概要 |
本年度はまず,配置問題の最も基本的な指標である距離について,ユークリッド距離・マンハッタン距離・放射環状距離を対象として,領域内における2点間の平均距離の計量的特性を比較した. 次に,迷惑施設を領域内に一箇所設けるという条件のもとで,前年度3つに類型化した最適化問題を「反撥型」と「公平型」の2種類に集約し,最適地の解析的な導出やシミュレーションを行い,再度検討を加えた.その結果,一様かつ桐密に人口が分布する領域内においては,反撥型(住民と迷惑施設との距離の和または積を最大化する問題)においては最適地が領域の縁辺になるのに対して,公平型(住民と迷惑施設との距離の差の総和または平均距離との差の総和を最小化する問題)においては最適地が領域の中央部(Gimi指標の場合は中央部と縁辺付近)になることが確認された.つまり,選択する目的関数によって全く相反する最適地が得られることがあり,迷惑施設の最適配置問題は,どの目的関数を選択し,また重視するかという問題に帰着することがわかった. そこで,それぞれの目的関数自体に対する重み付けをパラメータとし,その総和によって最適地を総合的に決定する方法を採用した.その具体的な適用事例として,東京都目黒区における清掃工場の配置問題を取り上げた.人口分布を基礎データとし,ユークリッド距離に基づいた目的関数(反撥型と公平型)に加え,環境条件を考慮した目的関数として,気象条件を加味した大気汚染,電波障害の被害の量,小学校・専用住宅地・文京地区などの保全地域や区外部に対する影響量,幹線道路からの利便性などを組み入れた.区内における任意の地点の適性度は,視覚的に理解可能なように等値線図として表現し,重み付けのパラメータの値を変えながら最適地のシミュレーションを行い,理論上の最適地,かつて候補地として挙げられた3地点,そして現状の場所の適性度を比較・評価した.
|