研究課題/領域番号 |
12650612
|
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
十代田 朗 東京工業大学, 大学院・情報理工学研究科, 助教授 (70226710)
|
研究分担者 |
津々見 崇 東京工業大学, 大学院・情報理工学研究科, 助手 (40323828)
寺尾 仁 新潟大学, 工学部, 助教授 (70242386)
|
キーワード | まちづくり学習 / 住民参加 / むらづくり / 新潟県 / 社会科副読本 / 地域教育 |
研究概要 |
本年度はまず比較対象となる都市部の地域学習についてプレ分析として研究を実施した。 1.研究資料(社会科副読本)の収集・教師へのヒアリングの実施 新潟県内19市の社会科副読本を研究資料として収集し、同時に副読本の編纂に携わり現場で指導にあたっている教師にヒアリングを行った。 2.地域の実態の理解に関する教育及び教育の順序の分析 副読本中の記述を14項目の「学習内容」に分類し、対応する「学習手法」(13項目)・「学習段階」(2項目)をヒアリングより明らかにした。クロス分析より、基本的には「知識を与える」教育がなされているが、企画調査や見学等を用いて実際の地域を教材として学ばせるケースも見られた。特に「公共サービス・ごみ」では多くの学習手法を用いて「提案する」レベルまで踏み込んでいるものが多く、「環境教育」も兼ねて注目されているテーマであるといえる。 また殆どの副読本が学習指導要領で示された順序に従って構成されているが、順序を入れ替え「社会学的興味」「地理学的興味」から地域学習を始める副読本も見られた。 3.地域の相対的理解に関する教育及び「地域づくり」に関する教育の内容分析 地域の相対的理解に関する教育では、広域からの位置づけや他地域との連携がクローズアップされている反面、自地域との比較は行われていないのが現状である。 「地域づくり」教育では、河川改修等の開発事業や雪対策を題材に計画や工事の苦労を説明するケースが多く、その主体は行政であるという記述が多い。また「地域の将来像・改善案の提案」を児童にさせるケースも希有で、住民の自主的な地域づくりに向けての意識の形成がなされていない、ということが明らかになった。 なお次年度は、農村部を対象として同様に分析を進め、都市部との類似点・相違点を整理する。また、特徴的・先進的自治体の事例を取りあげ、今後の"むらづくり"教育のための知見を得るものとする。
|