研究課題/領域番号 |
12650612
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
十代田 朗 東京工業大学, 大学院・情報理工学研究科, 助教授 (70226710)
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研究分担者 |
寺尾 仁 新潟大学, 工学部, 助教授 (70242386)
津々見 崇 東京工業大学, 大学院・情報理工学研究科, 助手 (40323828)
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キーワード | 地域づくり / まちづくり学習 / 社会科副読本 / 環境教育 / 総合的な学習の時間 |
研究概要 |
本研究は、今後の農村部における住民参加型地域づくりに向けた実効的な"むら"及び"むらづくり"についての学習(以下「むらづくり学習」)を探るために、新潟県の町村部においては(1)自分たちの"むら"の現状についてどのように教えているか、(2)"むら"の問題点解決や理想像達成のための"むらづくり"についてどのように教えているか、を明らかにした上で、むらづくり教育が先進的に行われている自治体を対象に、(3)環境学習や試行中の総合学習ではどのようにむらづくり学習が行われているか、を把握することを目的としたものである。目的(1)(2)に関しては新潟県内71町村(54冊)の副読本を対象とし、(3)に関してはアンケート調査で回答のあった62町村147校、ヒアリング調査3町3校を対象とした。 分析の結果、(1)農村部の社会科副読本における"むら"に関する教育内容は13項目に分類することができ、多く取り扱われるのは「地勢・自然環境」「地域の文化・履歴」等であり、身近な存在である自然や農業、伝統文化を題材に"むら"のことを理解させようとする傾向がみられる、(2)"むらづくり"に関する記述に関しては、理想像は規範的・抽象的に教えられ、問題点は生活必需的・具体的に掲げられている。解決策では、開発型が保全型の2倍近くあり、"むらづくり"とは、地域の生活環境を整備するものであると示す傾向が強い、(3)社会科副読本におけるむらづくり学習の内容は、「環境学習」や「総合学習」とは特に「自然環境を認識させる」ことに関しては内容的に類似がみられたが、現場ではむらづくり学習との連携は現状ではさほど意識されていない、また、小学校3・4年生の段階では「むらづくり」すなわち「計画」の概念が学習にほとんど導入されておらず、「むらの良さ」を知り、またそれを守る態度を育てることに重点が置かれて学習が進められている、等の結論を得た。
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