研究概要 |
地球環境問題への配慮、地域コミュニティの育成から、持続可能な住環境を形成し、維持管理するシステムを確立する必要性が高まっている。 本研究では、住環境が一体的に計画された分譲住宅地や建築協定地区における住環境管理活動の実態と居住者意識形成を調査し,住民主体となった自律的管理の醸成過程を明らかにした。(1)住民発意の協定締結・地区計画策定は困難が多い。専門家の支援体制や地区間交流が必要である。(2)わが国では住環境管理は町内会・自治会が主となり行うこともあるが、アメリカのHOA的組織が導入されつつある。しかし、根拠法の問題や内部運営のあり方、地方自治体との連携など課題がある。(3)建築協定に対する自治体の対応に相違は大きい。また建築協定更新手続きは困難性が高く,地区計画への意向も見られる。更新をあらたな合意形成と住環境管理態度形成の機会として利用する仕組みが必要である。(4)居住者のコミュニティ育成・環境形成態度は共同利用や維持管理活動を通じて形成されることが多い。 持続性を規範とした欧州での取り組み実態を把握し、わが国での課題を整理した。エネルギー、環境、エコロジーが重要なテーマである。 以上を踏まえ、住環境性能評価システムを構築し、地区特有の住環境ストックを持続的に維持発展できる住環境管理方策の提案を行った。特に、サスティナブルなコミュニティのためには、就業・ハウジング・コミュニティ・余暇施設の相互連結を図ることや、専門家の支援体制、連携体制、地域再生としての取り組みが重要になる。
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