研究概要 |
本研究は,被災市街地の復興に関して,再建の多数を占める自力再建住宅に着目し,再建に伴う住環境改善,まちなみ形成の手段としての敷地内外部空間整備を,まちづくり協議会の実施する事業として実際に運用する可能性を検証するものである. 本年度は、以下の調査研究を行った. (1)住宅再建と外構共同化に関する居住者意識に関する調査・分析 まちづくり事業の可能性をもつ協議会のある地区において,再建住宅の居住者に対するアンケート調査を行い,1)現在(再建後)と震災前の住環境評価,2)まちなみ形成に対する意識3)外構共同(利用)・協調化に対する意向を把握するとともに,本調査の結果によって外構共同化・協調化の需要を把握した. (2)住民主体の住宅市街地における景観形成に関する調査・分析 近年,景観形成住民協定を制定した神戸市内の5地区を対象に,市民協定にいたるプロセス,運用状況,課題や問題点を導いた. (3)住民企画型事業手法に関する調査・分析 震災以降,神戸市を中心に行われている住民企画型のまちづくりの具体的な事業に着目し,そこでの事業の実現プロセスや課題を導いた. (4)研究のとりまとめ 以上の調査研究を総括し,密集市街地における小規模連携住環境形成手法と住民企画型事業手法に関する現況と今後の課題を析出した.
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