1.全国大学におけるメディア関連施設の整備実態に関する調査を行い、組織、機能、建物、利用状況等を把握した。特に、図書館との融合について機能面、施設面から分析した結果、組織・建物に関する4つの融合パタンに分類でき、融合の実態を整理することができた。4パタン中、組織・建物一体パタンは6.8%である。また、図書館、情報処理教育、オープン利用の3機能より、メディア関連施設は8分類することができ、分類ごとの建設年、面積との関係を明らかにした。3機能の融合施設は、8.9%であり、最近10年間に建てられたものが多い。 2.図書館と情報関連施設が融合した施設における融合したことによる利点と問題を明らかにした。組織・建物完全一体タイプは、全体的に効果が大きく、特に建物・設備面では利点が多いが、施設の増改築の面でやや問題がある。図書館に情報関連機能が付加したタイプは、職員の技術、業務内容の増加等で問題がみられる。また、建物・設備面では、オープン利用のパソコンスペースの配置等に留意する必要がある。 3.先進的な融合事例について現地調査を行い、メディア関連融合施設における利用状況、利点・問題点、将来動向等について把握した。組織面、建物面のいずれも融合の形態は様々であること、利用者へのサービス等についての効果はみられるが管理運営面や教育のマルチメディア化に対する支援については問題があること、などの実態を捉えることができた。 4.図書館と情報関連施設が融合した施設の先進的事例である武蔵工業大学横浜キャンパスの情報メディアセンターを対象に調査を行い、融合していることにより使いやすさの面と来館頻度の面で効果が現れていることを明らかにした。
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