研究課題/領域番号 |
12650634
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研究機関 | 名城大学 |
研究代表者 |
海道 清信 名城大学, 都市情報学部, 助教授 (80278332)
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研究分担者 |
吉川 耕司 名城大学, 都市情報学部, 助教授 (80220599)
片木 克男 米子工業高等専門学校, 建築学科, 教授 (30043607)
水原 渉 滋賀県立大学, 環境科学部, 教授 (70166031)
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キーワード | コンパクトシティ / 環境共生 / サスティナブルシティ / 地方都市 / 戸外生活行動 / ヨーロッパ共同体 / 都市形態 |
研究概要 |
コンパクトシティは、自動車利用の利便向上をめざして、郊外に分散・拡散した都市に対する対抗的な都市像として掲げられている。そのために、自動車利用が少なくなるような密度で、複合機能が配置される。ひとびとが徒歩や自転車で生活でき、公共交通の駅が成立可能な密度や範囲が目安となる。そこで、歩行限界として、5分、500メートルの範囲に、人口密度ヘクタールあたり100から150人以上が想定される。 地方都市の人口集中地区データを用いて、時系列的に人口と世帯数密度の推移特性把握し、市街化区域設定の役割を検証した。その結果,(1)DIDは60年代後半から80年代にかけて急速に拡大し人口密度の低下も著しかったが、90年代には平均密度の低下は収束しつつある。(2)DID人口密度が高かった都市ほど密度低下が激しく、平均密度平準化の傾向が見られる。(3)非DID地区との密度差は縮小傾向にある。(4)世帯あたりの空間量は増加し、逆に世帯数密度は高まる傾向にある。(5)市街地人口密度維持の手法として市街化区域設定は成功していない。 コンパクトシティの空間像を視点として、都市の人口密度指標が有する意味を、全国主要49都市を対象に分析した。その結果、DID人口密度と自動車所有、ガソリン消費、自動車通勤にはかなり強い相関関係がある。地価、住宅面積とはある程度の相関関係があるが、地域性による相違も大きい。500m徒歩圏における7つの地域生活施設とDID人口密度との相関関係は、市場志向のコンビニでは強く、銀行・郵便局、医療施設、鉄道駅では緩やかで、公園、集会所等では認められない。従って、対象都市においては、DID人口密度は、コンパクトな都市に期待される日常生活圏の利便性を示す指標としては不十分で、地域的な差が大きく公的性格の施設では立地政策が重要である。
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