研究概要 |
近代住宅の構成システムを,その変容過程の分析により場所論的にあきらかにしようとする本研究は,平成12年度には,アルヴァ・アアルトの住宅作品(マイレア邸を中心として)の研究として遂行され,以下の3稿が公表された。3稿は改変,加筆され,日本建築学会論文集への投稿原稿として作成される予定である。また現在,ル・コルピュジエのクルチェット邸の分析が遂行されている。 □日本建築学会近畿支部研究報告集:2稿 1)15住宅における平面の意味--アルヴァ・アアルトの住宅作品における生成過程の研究1 2)マイレア邸の平面一向部の成立--アルヴァ・アアルトの住宅作品における生成過程の研究2 □日本建築学会学術講演梗概集:1稿 3)3住宅におけるフォームの意味--アルヴァ・アアルトの住宅作品にあける生成過程の研究3 上記の住宅作品の研究は,草案群の吟味を基礎とし,3種のダイアグラムの作成による平面分析,作品の模型作成による検証,さらに建築家自身の言葉の分析をとおして遂行されている。 主題解明は,2つのアスベクトをとおしてなされる。(1)住宅の内部を構成する諸要素のシステムの解明(2)住宅(内部)と土地(外部)との関わり合いの解明。前者については,主室の諸要素の配置構成の変容分析をとおして,アアルト,ル・コルピュジェの構成方法の特性があきらかにされる。後者については,内部と外部を媒介する要素,つまり中庭(マイレア邸),テラス(クルチェット邸)の意味がダイアグラム(住宅と土地とのゲシュタルト図)作成とともに主題化され,その場所論的解釈が目論まれる。
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