研究課題/領域番号 |
12650644
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研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
山田 幸正 東京都立大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (10191347)
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研究分担者 |
山下 王世 国士舘大学, イラク古代文化研究所, 日本学術振興会特別研究員(PD)
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キーワード | イスラム建築 / オスマン帝国 / 帝国様式 / 都市公共建築 / 世俗建築 / ファサード / ロッジア / イスラム装飾 |
研究概要 |
本研究は、近世エジプト・カイロに建設された遺構、なかんずく「サビール・クッターブ」(公共給水施設兼コーラン学校)と呼ばれる都市建築を中心に、オスマン朝建築の立面意匠にみられる諸特徴を明らかにすることをめざして、平成12年度より2カ年の計画で実施している。初年度である今年度は、研究備品として購入した広角レンズの装着可能な最新デジタルカメラおよび携帯用コンピューターなどを携えて、2000年9月17日から10月3日までの17日間、エジプトのカイロやトルコのイスタンブルなどに赴き、実測・写真撮影などの実地調査を行ない、あわせて資料収集などを実施した。その結果、カイロ市内でサビール・クッターブ59件、イスタンブル市内でチェシュメ15件の現存遺構について調査し、立面に関する各種のデータを収集することができた。また、イスタンブル工科大学では海外共同研究者であるゼイネプ・アフンバイ教授より、カイロのオスマン朝建築に関する論考などいただくとともに、オスマン朝建築全般にわたる貴重な情報や助言をいただいた。さらに、カイロでは9月28日、日本学術振興会カイロ研究センター主催の研究懇話会で、本研究と関連して、カイロのイスラム都市建築に関する講演を行なった。 現在、調査で撮影された画像より、それぞれの建築遺構の立面図を作成するとともに、データを整理・分析を行なっているところである。関連して調査を進めているアナトリアのイスラム建築、なかでもモスクについては概要の分析を終え、2001年3月、日本建築学会関東支部研究発表会でその内容を報告した。
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