水和ビスヤス酸ナトリウム(NaBiO_3-nH_2O)を用いた水熱反応により新しいビスマス酸化物の物質探査を行った結果、以下に示すよう結果を得ることができた。 1)アルカリクロム酸塩の水溶液を用いた場合には新しい化合物であるCrBi_8O_15を見出し、その詰晶構造を単結晶X線回折データを用いて解析した。その結晶構造は酸素原子によって7配位から9配位されたビスマス原子と(CrO_2)^<2->から形成されたシートが積み重なっていた。また3価のビスマスに特有な孤立電子対の位置を計算により求めた。その結果、孤立電子対はシートが積み重なる方向に互いに向き合っていることがわかった。 2)硝酸マンガンあるいは硝酸鉛の水溶液を用いた場合にも新しい化合物を合成することができ、現在その詰晶構造を解析中である。 3)バナジウムおよび水銀を含む水溶液を用いた場合にも新しい結晶相が得られることを見出し、その結晶構造解析を行っている。 4)水和ビスマス酸ナトリウム(NaBiO_3-nH_2O)を用いた水熱反応により得られるBi_2O_4を出発物質とした水熱反応で新しいビスマス酸化物の物質探査を行っている 上記のような手法をスズを含む系への応用を試みた結果、新しい化合物を見出した。 氷熱反応以外でもMgO-Nb_2O_5-Bi_2O_3系において新しい化合物を見出し、その結晶構造を解析中である。
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