研究課題
本研究では、機能性ナノ結晶粒子としてチタン酸バリウムを選択した。不飽和結合を有する金属有機化合物を用いて、チタン酸バリウム粒子有機ハイブリッド材料を合成し、その性質を評価することを目的として研究を行った。まず、チタン酸バリウム有機ハイブリッド前駆体の合成条件を検討した。バリウム・チタン複合有機化合物の配位子としてビニルエーテル誘導体を選択し、チタン酸バリウム粒子ハイブリッド前駆体を調製した。このチタン酸バリウム粒子ハイブリッド前駆体の付加重合反応を検討することにより、チタン酸バリウム粒子ハイブリッド前駆体ポリマーを合成することができた。調製したチタン酸バリウム粒子ハイブリッド前駆体ポリマーを種々の条件下で加水分解し、チタン酸バリウム微結晶粒子がポリマーマトリックス中で生成することが明らかとなった。加水分解条件を種々検討することにより、チタン酸バリウム微結晶粒子を含むハイブリッド膜を合成することができた。この薄膜は透明であり、吸収端がブルーシフトしており、量子サイズ効果を示した。また、吸収端のシフトは前駆体の配位子、加水分解条件などに依存していることが明らかとなった。以上のように、機能性ナノ結晶粒子有機ハイブリッド膜の合成条件を検討し、その粒径制御条件を確立することができた。ハイブリッド薄膜の光学的性質は、機能性ナノ結晶粒子の粒径により制御できることを明らかにした。
すべて その他
すべて 文献書誌 (2件)