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2000 年度 実績報告書

錯体間の多原子会合によるフレームワークの生成と保存

研究課題

研究課題/領域番号 12650678
研究機関大阪工業大学

研究代表者

野村 良紀  大阪工業大学, 工学部, 教授 (00156233)

キーワード遷移金属ジチオカーバマート / 自己組織化 / 水素結合 / マイクロポア構造 / 集積錯体 / 化学気相成長法
研究概要

遷移金属ジチオカーバマート錯体について配位子の構造と分子会合の様式との関係を詳細に検討した。特にジチオカーバマート配位子の末端に,言い換えると配位圏の周縁部にOHのような水素結合性官能基を導入することにより,これまでに知られていなかった様式の分子間会合が起こり,自己組織化によりフレキシブルな集積錯体となることを明らかとした。例えばOH基を1つもつジチオカーバマートが2分子配位したニッケル錯体は大きさ約8Åのマイクロポア構造をもつ固体構造を示したのに対し,OH基を2つもつジチオカーバマートが2分子配位したニッケル錯体は8Å×3Åの楕円体マイクロポア構造となった。一方,中心ニッケルと末端OH間が環状アルキルスペーサーで隔てられた錯体ではマイクロポア構造となるような自己組織化が認められなかった。このような集積錯体の構造論およびマイクロポア構造を利用したゲスト分子との相互作用について詳細に検討を加えつつある。
上記の成果の中でOH基をもつ錯体であっても,中心金属とOH基間相互の幾何的な空間距離によって分子会合を制御できることを明らかにしているが,分子会合がない場合でも分子内会合が重要となる例を見いだしている。このような分子内会合は錯体の動力学安定性に影響し,末端OHをもつ錯体の熱分解温度が低くなることを見いだした。これに関連してまったく分子会合していないアルキル基のみを含みジチオカーバマート錯体は化学気相成長法による金属硫化物膜の優れた前駆体となることを明らかにした。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] NOMURA Ryoki,HAYATA Hiro-tatsu: "Growth of transition metal sulfide thin films from dithioca rbamate complexes"Transaction of Materials Research Society of Japan. 26(4)(in press). (2001)

  • [文献書誌] NOMURA Ryoki,NAKAMOTO Sho-ichi: "Effect of alkyl spacers on self-assembly of dithiocarbamate complexes"Transaction of Materials Research Society of Japan. 26(4)(in press). (2001)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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