研究概要 |
1.立方晶系物体中の超楕円体と等方弾性体中の超球におけるS_<ijkl>の導出 平面ひずみ状態にある立方晶系物体について,eigenひずみを持つ超楕円体粒子における平均的EshelbyテンソルS_<ijkl>を異方性パラメーターA=2C_<44>/(C_<11>-C_<12>),<100>方向引張のときのポアソン比v_<100>そして超楕円体の形状指数pと軸比αの関数として評価した.楕円体粒子の場合とは異なり,eigenひずみが一定であっても超楕円体粒子中のひずみと応力は場所の関数になるが,平均的Eshelbyテンソル(無次元量)は上記の無次元量の関数として一意的に求めることができる.異方性パラメーター,ポアソン比,粒子形状の関数として平均的Eshelbyテンソルの成分の値を数値積分によって高い精度で求めた後,これらの値の間の関係を近似的に表現し得る関数を初等関数の範囲で探索する演算を行った.また,等方弾性体中のeigenひずみを持つ超球粒子についても,S_<ijkl>の導出を行った. 2.Ni-Al合金系における析出γ'粒子の形状観察 Alの濃度を種々変化させたNi-Al合金をアルゴン雰囲気中でアーク溶解法によって作製した.母相に対して単純膨張型(δ_<ij>型)のeigenひずみを持ち,Alの濃度変化に伴い球形と立方体状の間で変化した析出粒子形状を透過型電子顕微鏡によって観察した.観察された析出粒子形状を弾性ひずみエネルギーと界面エネルギーの総和の最小条件から考察した.
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