数十nmスケール以下の微粒子、ナノ・スケールの量子ドットを溶液/固体界面での電気化学反応により制御性良く作製する事を目的として、種々の電気化学プロセスによる自己組織化量子ドットの析出の可能性と、ドットの密度や大きさの主な制御因子を明らかにしようとする本研究において、本年度は以下の1〜3の電気化学プロセスについて、ナノ・スケールドット析出の可能性と制御性の基礎検討を行った。 1.無電解析出法 析出速度を極端に遅くした系を用いてNiの無電解めっきを行い、連続膜になる前の島状析出物の利用。 2.パルス印加による電解析出法 制御された定電位および定電流パルスを印加し、電位により析出物組成と析出核密度を、電気量(クーロメトリー)により大きさをそれぞれ規定した各種金属微粒子の利用。 3.置換析出法 吸着性の強いSn^<2+>を基板上に吸着させ、Sn^<4+>への酸化にともない還元析出させたAg、Pd等の微粒子の利用。 その結果、無電解析出法と置換析出法では、それぞれNi、Pdのナノ・スケールの析出物が得られた。そして無電解析出法におけるNi初期析出の制御因子について、得られた成果を学会で発表した。
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