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2001 年度 実績報告書

追加工法による超微結晶Al-Mg合金のSc添加による組織安定化と疲労特性の評価

研究課題

研究課題/領域番号 12650695
研究機関金沢大学

研究代表者

北川 和夫  金沢大学, 工学部, 教授 (30019757)

研究分担者 A. Vinogradov  大阪市立大学, 工学部, 助教授 (10283102)
キーワード超微結晶 / Al-Mg合金 / ECAP / Sc / Zr / 熱的安定性
研究概要

結晶粒を微細化することで,高強度の材料が得られることや,超塑性が期待できる。中でも最近注目を集めているのがECAP(Equal Channel Angular Pressing)法による微結晶製造技術である。本手法により,サブミクロンオーダーの結晶粒径を持つバルク状の大型素材が得られる。しかし,欠点として延性の低下や,結晶粒界が非平衡組織であるため熱的に不安定などいくつかの問題点も残されている。
本研究では構造用材料として利用範囲の広いAl-Mg合金を基本とし,上に述べた欠点を改善させるため,ScとZrを微少量添加することにした。これらの元素は再結晶抑制効果をはじめ、溶接性や耐食性を改善することで知られている。なお,同種の合金にECAP法を適用して微結晶化した材料について機械的特性に関する研究がなされているが,疲労特性についてはほとんど不明のままである。
本研究では,0.2%以下のScとZrを含むAl-Mg合金にECAP加工を施した微細結晶粒材料について,疲労特性を中心とした機械的特性の調査を行った。さらに,熱的安定性の評価も行った。なお,ScとZrを含まないAl-Mg系合金の代表として、5056アルミニウム合金を用い、比較検討を行った。
その結果,以下の結言が得られた。
(1)平均結晶粒径は約0.3μmであった。
(2)耐力はMg濃度に依存して増加しており、伸びはA5056合金の2倍であった。
(3)高サイクル疲労試験による疲労限は120MPa以上あった。
(4)773Kまでの熱的安定性はきわめて優れていた。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 出村良広, 北川和夫, 川添正孝: "ECAE法により作製した5056アルミニウム合金の高サイクル疲労特性"軽金属. 51・6. 324-328 (2001)

  • [文献書誌] V.Patlan, A.Vinogradov, K.Higashi, K.Kitagawa: "Overview of fatigue properties of fine grain 5056 Al-Mg alloy processed by equal channel angular pressing"Material Science & Engineering. A300. 171-182 (2001)

  • [文献書誌] V.Patlan, K.Higashi, K.Kitagawa et al.: "Cyclic response of fine grain 5056 Al-Mg alloy processed by equal-channel angular pressing"Material Science & Engineering. A319-321. 587-591 (2001)

  • [文献書誌] K.Kitagawa, K.Higashi: "On the Mechanical Behavior of fine grained 5056 Aluminum Alloy Processed by Equal-Channel Angular Pressing"PRICM4 (The Japan Institute of Metals). 2595-2598 (2001)

  • [文献書誌] 東健一, V.Patlan, 北川和夫他1名: "熱処理を施した超微細粒5056アルミニウム合金の引張りおよび低サイクル疲労特性"軽金属. 51・12. 646-650 (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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