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2001 年度 実績報告書

純CrとCr-Cr_2B共晶合金の組織と高温強度

研究課題

研究課題/領域番号 12650699
研究機関九州大学

研究代表者

中島 英治  九州大学, 大学院・総合理工学研究院, 助教授 (80180280)

研究分担者 池田 賢一  九州大学, 大学院・総合理工学研究院, 助手 (20335996)
吉田 冬樹  九州大学, 大学院・総合理工学研究院, 講師 (30243968)
キーワードCr / Cr_2B / 積層複合材料 / 高温 / 強度 / 双晶 / ラメラ- / ひずみ速度
研究概要

Cr-135mol%B共晶鋳造材を30mm/hと80mm/hの凝固速度で一方向凝固した。その結果、凝固方向にCr_2B相が配向した一方向Cr-Cr_2B共晶複合材料の育成に成功した。得られたCr相とCr_2B相の相間隔はそれぞれ約3μmと1μmである。また、異相界面を透過電子顕微鏡で観察した結果、Cr相とCr_2B相にはある特定の方位関係が存在することが明らかとなった。
作製した共晶複合材料を温度1000〜1400℃の温度範囲、ひずみ速度5×10^<-5>s^<-1>〜1×10^<-3>s^<-1>の範囲で圧縮試験を行い、降伏応力の温度依存性とひずみ速度依存性を明らかにした。本複合材料の高温強度は温度1200℃で400MPa程度であり、Ni基超合金並みの高温強度を有することが明らかになった。また、ひずみ速度の応力指数は約15であった。この応力指数の値は積層複合材料で見られる傾向と一致している。さらに、降伏応力の温度依存性より、変形の活性化エネルギーを求めた結果、約1000kJ/molであり、Crの自己格子拡散の活性化エネルギーより極めて大きな値であった。
変形後の組織を透過電子顕微鏡観察した結果、変形層であるCr相には高温変形で特徴的な回復組織が観察された。また、Cr_2B相には多数の双晶が観察され、強化相であるCr_2B相が変形していることが明らかとなった。
以上のことより、Cr-Cr_2B一方向積層複合材料の育成と高温強度の発現機構についての基礎的知見は得られた。以上の知見を総合することにより、本積層複合材料の高温強度をさらに向上させるために、Cr_2B相の強化が重要である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] H.Nakashima: "EBSP Analysis of Modified 9Cr-1Mo Martensitic Steel"ISIJ International. 41. S97-S100 (2001)

  • [文献書誌] F.Yoshida: "Microstructure Change during Creep Deformation of Modified 9Cr-1Mo Steel"Proc. of 3rd EPRI Conference on Advances in Materials Technology for Fossil Power Plants. 143-151 (2001)

  • [文献書誌] 吉田 冬樹: "EBSP法による電解コンデンサ用高純度アルミニウム箔の立方体集合組織形成機構の検討"まてりあ(日本金属学会報). 40(7). 638-641 (2001)

  • [文献書誌] 中島 英治: "高Cr鋼の高温変形機構と高温クリープ中の組織変化"耐熱金属材料123委員会研究報告. 42(2). 173-182 (2001)

  • [文献書誌] K.Ikeda: "Formation Process of Cube Texture in High Purity Aluminum Foils for Electrolytic Capacitor"PRoc. of the First Joint International Conference, Recrystallization and Grain Growth. 1279-1285 (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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