研究概要 |
従来の実験はTi棒を芯材として,芯材の表面を約0.2〜1mm径のTi粉末3種類で小径を内側にして段階的に覆ったあと,放電プラズマ焼結装置により芯材への粉末の接合および粉末間の焼結を同時に行いインプラント材を創成した.13年度は引き続き種々の焼結時の条件を変え,焼結後の芯材と各種粉末の接合,各種粉末同士間の空隙率,空孔形状および大きさを観察し適正な空孔および剪断強度を評価した.得られた多孔インプラント材は空隙の大きさおよび接合部のネック径,多孔に関する全般の性状と接合強度を緻密に測定して検証し,各項目に関して期待通りの性状が得られ,本インプラント材が生体材料として有益であると予想された. 本多孔インプラント材は動物試験に供する目的で民間,大学などを含む研究者と数度打ち合わせした.しかし,本材料は外径5mmであり,少なくとも大型犬,ミニ豚など骨格が大きい動物に限定されること骨の成長期間が6ヶ月以上と長期間にわたること,当初予測した費用より数十倍もかかるなどのため動物内への装着を断念した. そこで最終年度は小型動物にも応用できる材料の開発を指向することとし,本年度からその準備,予備試験を行った.目的の形状は3mm径,長さは40mmである.
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