研究概要 |
1.Progressive Nanometer-scale Metal-Forming装置(和訳:順加工式超微細表面圧造装置)の設計及び制作・試用を行った."2段階圧印による微細表面形状の制御"(平成12年度塑性加工春季講演会講演論文集(2000),65-66ページ)によれば微細表面形状の創製にはバルクの塑性変形と微細表面形状の形成が競合状態で進行することが推定され,その機構をより自由度高く制御して,微細表面形状の転写を精密に行うためには,バルク変形と微細表面形状の形成とを分離する方法が有効と考えられた.本試作装置ではそれを実験室レベルでナノメータスケールで実現すべく,金型の高精度な位置決めを行いながら交換を可能とし,また工具に被加工材を収納したまま顕微鏡観察を可能とするような設計を実現した.試用によりそれらの機能が概ね実現できたことを確認した. 2.微細表面形状の転写精度の3次元的評価法の検討を行った.AFM(原子間力顕微鏡)など走査型の計測器によりコンピュータ処理を経て微細表面の3次元形状が容易に得られるようなっているが,金型に設定した3次元の微細表面形状がどの程度精密に被加工材に転写できたかを定量評価する方法は確立していない.そこで対応する被加工材表面および工具表面の局部をAFMで計測し,コンピュータ上で空間反転させ理想的には一致する重ね合わせ状態を探求しある目的関数を最小化する方法を検討した.第1段階として画像処理により想定した方法の有効性を見いだし,第2段階として空間座標を扱って目的関数を任意に設定でき,空間の重ね合わせも自動的な連続探索で最適化できるプログラムを制作中である.
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